伊丹十三「お葬式」
夫人・宫本信子の父の葬仪を执り行ないながら、「これはまるで映画だ」と直感し、约一周间で脚本を书き上げたという。致密な人间描写、とぼけたユーモアと、そこはかとないペーソス、そして自然なセリフ回しなどが绝妙な効果を発挥。淡々とした展开の中に、样々な人间像を浮き雕りにしている。脚本に魅かれてこの仕事に参加した人も多い、というエピソードも颔ける。(昭和 8年 京都府)
金子正次/川岛透「チ・ン・ピ・ラ」
一昨年、评判を呼んだ「竜二」で、脚本と主演をこなし、その公开直后に他界した金子正次。彼の遗稿をもとに、「竜二」の监督川岛透が改编し、再び映画化した作品が「チ・ン・ピ・ラ」である。渋谷を舞台に、竞马のノミ屋を生活の粮として、自由気ままに生きているふたりのチンピラの姿が、瑞々しいタッチで、軽妙に描き込まれている。(昭和24年 爱媛県)(昭和24年 福冈県)
泽井信一郎/和田诚「麻雀放浪记」
泽井监督の「野菊の墓」を観た和田监督が、その力量を高く评価し、「麻雀放浪记」の脚本执笔に协力を仰いだという。胜负に生きる男たちの强烈な个性、その世界に次第にのめり込んでゆく“坊や哲”の姿、そして男たちの间で対照的な生き方をつらぬくふたりの女など…。正攻法のドラマには欠かせない、ツボを心得た人间描写で、映画の味わいを深めた。(昭和13年 静冈県)(昭和11年 大阪府)
田村孟「瀬戸内少年野球団」
筱田监督等とともに、松竹ヌーベル・ヴァーグの旗手のひとりとして出発。脚本家に転じてからは、大岛渚监督作品を数多く手がけてきたベテランである。「瀬戸内少年野球団」では、登场人物の多いストーリーを、メリハリの利いた展开で见事にまとめ上げた。原作の牧歌的世界を大切にしながらも、この人ならではの骨太さを感じさせるドラマとなっている。(昭和 8年 群马県)
早坂暁「空海」「天国の駅」
テレビドラマで数々の杰作シナリオを生み出し、国内外で高い评価を受けている、日本シナリオ界の巨星である。この人は、いつでも人间の业を见つめ、哀しみと向い合う。最初から主役に吉永小百合を想定していたという「天国の駅」は、吉永の新たな魅力を引き出した。「空海」は、空海のドラマチックな生涯を描き上げるために、1年半が费されたという労作である。(昭和 4年 爱媛県)